「翌(週)」と「来(週)」の違いは?

 【原文1】

今週は営業成績がよくなかったが、翌週はなんとか盛り返そう。

この文章に違和感を覚える人は多いでしょう。文章の視点が「今」にあるにも関わらず、「翌(週)」が使われているからです。「翌」が使えるのは、過去か未来の一地点に視点を置いたときだけです。「今」「今日」「今週」「今月」など、「今」に視点を置いた文章を書くときには「翌」を使うことはできません。

【原文1を改善】

今週は営業成績がよくなかったが、来週はなんとか盛り返そう。

このように「翌週」を「来週」に変更すると、違和感が消えます。

ほかにも、いくつか例文を見ていきましょう。

× 今週の視察は中止となりました。翌週の火曜日に延期したく存じます。

 今週の視察は中止となりました。来週の火曜日に延期したく存じます。

「今(週)」に視点を置いているので、「翌(週)」と書くのはおかしいです。

× 中央自動車道は翌朝5時から集中工事規制に入ります。

 中央自動車道は明朝5時から集中工事規制に入ります。

この文章も「今」に視点を置いているので、「翌(朝)」と書くのはおかしいです。正しくは「明朝」です。

× 初月こそ好調でしたが、来月は一気に落ち込みました。

○ 初月こそ好調でしたが、翌月は一気に落ち込みました。



この文章は「過去の一地点」に視点を置いています。したがって、「翌(月)」を使うのが正解です。「来月」を用いると、違和感が生じます。

文章の視点がどこ(いつ)に置かれているかを見極めながら、「翌」と「来」を正しく使い分けましょう。


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